鴨長明「方丈記」
儚さに宿る美に惹かれ 2014年2月18日(火)無常の文学の極致。方丈(約3メートル四方)の庵から、世界の儚さと美を見つめた鴨長明。その視線の中に、日本文化への入口があった。
好事家の告白 — 全八回
二十年近く日本に住み、日本の大学で日本の学生に日本の知的伝統を教えてきたアメリカ人学者が、日本文化への「偏愛」を告白する。
鴨長明の儚さから松尾芭蕉の十七音節まで、岡倉天心の茶から鈴木大拙の禅まで、小泉八雲のホームグラウンドから不干斎ハビアンの文明の狭間まで。八つの「偏愛」が、一人の好事家の目を通して語られる。
本連載は西日本新聞の文化面に2014年2月から3月にかけて全八回掲載されました。
無常の文学の極致。方丈(約3メートル四方)の庵から、世界の儚さと美を見つめた鴨長明。その視線の中に、日本文化への入口があった。
俳句という形式は、十七音節のスナップ写真。芭蕉の旅に寄り添いながら、日本語が凝縮する美の原理を探る。
岡倉天心が英語で書いた「茶の本」は、日本文化を西洋に伝えた古典。茶道の中に東西の美学が交差する場所を見出す。
禅の本質は言葉を超えた伝達。鈴木大拙が英語圏に禅を伝えたように、心から心へ渡るものの正体を追う。
日本文学を日本人以上に深く読むアメリカ人学者ロバート・キャンベル。異文化の中で「完全なる日本人学者」となることの意味を考える。
ラフカディオ・ハーン。ギリシャ生まれ、アイルランド育ち、アメリカ経由で日本へ。居場所を求め続けた男が、ついに見つけたホームグラウンド。バスキンド自身の旅と重なる物語。
臨済義玄の激烈な禅。九州に花開いた黄檗文化。寺院建築から煎茶、普茶料理まで、日本の日常に溶け込んだ黄檗の遺産を辿る。バスキンドの博士論文の核心に触れる回。
16世紀、キリスト教に改宗した禅僧ハビアン。信仰と知性、東と西、帰依と棄教の間で揺れた知識人。バスキンド自身の研究対象であり、連載の最終回にふさわしい「文明の狭間」の物語。